いよいよやって来ました。フットサルFリーグ、ペスカドーラ町田の今シーズン最後のホームゲームの日。そして背番号5番の甲斐修侍選手が今季限りで引退するにあたって地元ファンへご挨拶するという引退セレモニーが開催されるという日でもあります。もう一度生で、そして一度はホームタウンの町田で、甲斐選手の活躍する姿を観たいなあと思い続けてきましたので、実現させる最後のチャンスである今日を逃すわけにはいきません。JR横浜線の成瀬駅を降りて町田市総合体育館へ向かいました。
2月6日の記事でも書きましたが、フットサルになど全く縁が無かったこのわたくしが、表立たずひっそりとペスカドーラ町田の動向を10年追い続け陰ながら応援してきたのは、ふとしたきっかけで甲斐選手のプレーに魅了されたことがきっかけでした。文字通り流れるようなパスを繰り出し、息を呑むようなシュートを決める。強さとか巧さというのもありますが、その上で観客を魅せる・楽しませるプレーをされる選手だなあと強く印象に残りました。日本フットサルリーグの夜明けの頃に、自分が上手くなることやチームが勝つことだけでなく、どのように日本のフットサルの底上げをしていくかまでを考えている、つまり見ている世界が他の選手と違うってことが素人にも伝わって来るようなプレーをされていたなあと当時を思い出します。
さて。今日の試合なんですが、同じ東京都の府中アスレティックFCとの共催になっていて、13:30からの府中 vs 大分の試合の後の16:00からが町田の試合でした。普段なら16:00に間に合うように出かけるところですが、おそらく第1試合から客席は満杯になるであろうと予想して2試合とも観ることにしました。チケットは再入場可の2試合通しチケットなので、その意味でも観ておいたほうがお得ですし。
府中 vs 大分は愛媛に近い大分を応援すべきか迷いましたが、共催で周囲の人達も応援しているのが多かったのと、これで勝つとリーグ戦5位が確定しプレーオフ出場権が得られるという府中を応援しながら観戦しました。
府中が先制点を決め、大分も早くに同点へと巻き返し、互角の戦いかなあと思っていたら次第に府中が鍵を握るような流れになって、中盤で追加点を入れた府中が2:1で逃げ切りました。既に出場を決めた町田とプレーオフで戦うことになるかもしれません。
第1試合が終わって、客席にはかなり人が増えてきました。いよいよペスカドーラ町田のホーム最終戦です。迎え撃つ相手は今季リーグ戦1位を決めたシュライカー大阪。強敵ですが、わたくしが初めて甲斐選手のプレーを観たのも大阪戦。そしてその時は町田の快勝。なので今日も勝てると信じて疑っておりませんでした。そしていよいよキックオフです。
セレモニーがあるとは言え、コンディションやチームの作戦上で、甲斐選手が必ず出場するという保証はありません。先発メンバーに甲斐選手の名前はありませんでした。でも時折チェックしていた町田の試合結果で自然に覚えた、名前や顔を知る選手が頼もしいプレーを仕掛けてくれました。
大阪に先制点を許してしまったものの、間も無く同点に追いつき、さらに追加点を重ねて逆転、と思ったらその直後にPKを決められて再び同点にもつれ込みます。そのまま膠着状態で前半戦が終わり、ちょっと嫌な予感もしましたが後半で流れが変わりました。甲斐選手が放ったパスを受けて背番号2の日根野谷選手が華麗にシュートを決めた3点目。この試合で甲斐選手がゴールを決めることは残念ながらありませんでしたが、この予想もしていなかったタイミングでの見事な連携はわたくしの中では今日のハイライトでした。
そしてこれで逃げ切ってくれればいいがと手に汗を握りながら観戦していましたが、選手の皆さんは油断するどころかさらに追加点。そして残り数秒、敵はゴレイロ(ゴールキーパー)までが攻撃に加わるパワープレイで1点は奪われるかと思いきや町田が5点目を追加して試合終了。びっくりしました。勝つとは思っていたけどここまでの勝ち方をするとは!
そしてまだあと1試合を残して油断は出来ないのですが、今日の勝ち星で町田はリーグ戦3位に浮上しました。そんな最高に喜ばしい雰囲気を作った中、試合終了後は甲斐選手引退セレモニーが続けて行われました。引退なのでしんみりするかと思いきや、良い試合の後で気持ちよく未来へと送り出してあげられるような感謝と思いやりにあふれるようなセレモニーでしたよ。
最後は希望者全員で一緒に記念写真撮影。豆粒状態で宣伝物などに使われるかもしれませんが、その照れや恥ずかしさよりも、試合後のピッチに入れるというレア経験を優先して参加させてもらいました。おおお、さっきまで目が離せないプレーをしていた選手がすぐそこにいる!ちびりそう!ちびっちゃダメ!
その後、ファンの子供達のサインして攻撃に優しく対応する甲斐選手がすぐ近くに!ひゃっ!わいもしてもらう〜と思ったけど色紙もマジックも持ってませんがな。ま、まあ、先にファンクラブブースで売っていた甲斐選手の直筆サイン入り雑誌を買ったからいいか。そして関係者へのご挨拶やらプレス用の写真撮影やらで一旦姿を消す甲斐選手。
まあ仕方ねーや、間近で観られただけでも来てよかったということにしよう。とピッチから出ようとした時、この後準備が出来次第ロビーで甲斐選手のサイン会をやりますというアナウンスが。おっしゃ!
で、しばらくロビーで待っていたのですが、準備が整ったよというアナウンスも無くて。でも甲斐選手はロビーに現れて、応援に来ていた関係者、お知り合いの方、サポーターの方などからプレゼントを受け取ったり写真撮影をしたり談笑したりサインしたりと笑顔で対応されていたんです。そういう方々が次々と順番待ちの列を作られていたので、少し列がひけた時に並んでみたら。ごごごご対面成功!畏れ多くもMy フットサルの神様に謁見です。
もうすんごい緊張したんですが、今日のために四国くんだりから駆けつけたことを告げるととても驚かれ、握手もして頂いて、写真撮影にも応じて下さいました。そして甲斐選手への感謝の気持ちも伝えることができました。やっぱりどうしてもそれは伝えたかったのですよ。スポーツ全般に興味がなかった人間をここまで引き込んでくれたということへの感謝。それほどの力を持つ甲斐選手のフットサルへの情熱はこの10年の日本のフットサル界を引っ張り、土台を支えてきたのだと言っても過言ではないでしょう。
セレモニーが行われましたが、今シーズンはまだ後1試合残っており、プレーオフもあります。それと5月7日に引退試合も行われるそうなので、もうちょっとだけユニフォームは着られるそうです。甲斐選手の横断幕もそろそろ見納めで残念ですが、今後は後進の育成に力を入れてチームを盛り立てていかれるそうです。甲斐選手が引退してもペスカドーラ町田は応援していきたいなあと自然と思わせるくらい素敵なチームをまとめ上げたのも、甲斐選手の凄いところだと思います。握手をして下さいながら「良ければまた町田へ来てくださいね」と仰ったのも印象的でした。
ちなみに忌野清志郎さんや谷川俊太郎さんと握手してもらった時にも思ったのですが、天才的に凄い人の手は決まって、とても温かくて柔らかいです。甲斐選手の手も同じく。
ではでは素晴らしい思い出をたくさん抱えて松山へ帰ります。あ、ツーショットの写真は残念ですがここには載せませんよ。肖像権の問題とかありますので(主にわたくしの)。