読みかけのまま放り出していた憲法学入門書のための入門書のような「憲法主義」を読破した

雨ではあるが妙に暖かかったここ数日から一転して、今日はえらく冷たい風が強く吹き付ける荒れた天気となりました。今日から松山では椿まつりが開催されますが、伊予路に春を呼ぶ椿まつり、の時には必ず寒の戻りがあるので順当な天候ですね。

さて、そんな荒れた天気なので、今日は家事と引きこもりの日でした。洗濯して掃除して炊事して。それで飽きてきて、本でも読もうかと思いついて。

当初はまだ陽のあるうちに本屋へ行って、一昨日に書いた「あの曲を語るためには読んでおくべきあの小説」を買って読もうかと思ったのですが、この寒風のために断念。そしてふと、本が無ければ電子書籍を読めばいいじゃない!と脳内マリー・アントワネットが叫んだのですが、ちょっと調べてみるとiBook Storeで720円とかブコフの何倍ぞ!という表示が出たりしたのでそっとアプリを閉じました。

でもまあそうやって新しい本を買うよりは、買ったまま読破していない本が何冊もあるのだからそちらを読めば良いわけで。それで積まれている本の背表紙を見直していてこの本を手に取ったわけです。

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この「憲法主義」という本は、九州大学で憲法学を教えられている南野森教授とAKB48(もうすぐ卒業されるそうですが)のメンバーである内山奈月さんの共著となっているのですが、実際に南野教授が内山さんに2日間の集中講義を行った内容を元にまとめられています。

なんでまたAKBのアイドルと?と思ってしまいますが、この内山さんはAKB48の研究生だった頃に、研究生の武道館公演で特技を披露するということになって、日本国憲法の第48条と第100条を暗唱したということで「憲法アイドル」の異名を持つ方なんだそうです。

ベストセラーになるための話題づくりでアイドルを起用して、という算段はあっての企画だったと思うのですが、実際に読んでみると、「この娘とても頭良いし憲法のことについてもよく勉強してるじゃんすごい!」と思わずにいられませんでした。ほんと、この人選はいいところを突いているなと感心しました。

南野教授の講義自体もとても分かりやすい言葉を使って順序よく説明しているので、憲法についての講義書であるのに大変読みやすく感じました。まあそれなのに数ページ読むごとに眠くなって途中で挫折していたわけなのですが。しかし一度波に乗れば最後まで一気に読み進められますよ。

読みながら、ああそういえば、そういうことを社会科や公民の授業で習ったなあ(でもすっかり忘れていたなあ)と思い出したり、え?それは知らなかった!と新しく知ったり。

法律は国民を縛るためのもので憲法は国家権力を縛るためのもの、という本質については、わたくしも理解していなかったので、本当に目からウロコが落ちる思いでした。なるほどなあ、時の政権が国民のためにならない方向へ暴走しないように憲法で制約をつけているのに、国民ではなく政権のほうから率先して「憲法を変えたい」と言うことに違和感を感じるのは、そういうわけなんですね。

憲法学を学ぶための入門書を読むための入門書、というくらいのレベルかなと思うので、むしろ法学部の学生とかではない、高校あたりで勉強が止まっているくらいの人が読むのに丁度良いのではないかと思います。そもそも憲法とは何か、何のためにあるのか、というようなことからゆっくりと知っていけるのが良いですね。

単行本の発売は2014年で、昨年2015年の11月にはPHP文庫から文庫版も出ているので、今頃紹介かっ!遅いわ!と言われそうですがお薦めしておきます。是非是非。

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