では、なし崩しハシゴ酒の話を続けましょうか。成り行きで岡山駅までノンストップで連れていかれたので、ポルポイチロクの店員さんが教えてくれた「ポルポ」または「ポルポ2」のどちらかを目指して改札口を出ました。ぐるなび等を見ると、このふたつのお店は割と近い場所にあるようです。さて、どちらに行くべきか。これも行き当たりばったりだな。
とりあえずは駅により近い「ポルポ2」が先に見つかったので、こちらに入ってみることにしました。入口の扉に手をかけた時、ガラス越しにカウンターの中にいる男性の姿が見え、それがまたポルポイチロクの初代店長とは別人だったと判ったのですが、引き返すタイミングはとっくに過ぎていたのでそのまま中に入りました。もしかしたら厨房二人体制かもしれないし、などと淡い妄想も描きながら。
こちらのお店は入口入ってすぐに厨房前のカウンター席が6席ほど奥まで続いていて、さらに奥の階段で2階に上がるというような構造でした。一人だと告げると、その6席の中の一番奥へと案内してくれました。内装は木材をふんだんに取り入れた温かみがある空間になっていましたが、まだ新しいのか木目がつやつやした感じで爽やかな印象です。
さっきビール飲んだし次は赤ワインで、と頭では考えていたのですが気が変わって白ワインを頼みました。そしておつまみも悩むのが面倒なので前菜5種盛りを、って全く同じ5種が来たら笑っちゃうけど、そんなことはあるまい。愛想の良い女の子の店員さんがすぐにワインを持って来てくれました。そしてお通しもどうぞと持ってきてくれましたが。
あ、こっちが同じでしたか。
デジャヴュかよと笑いながらパスタフリットをポリポリ齧ってワインをちびちび飲みました。なかなかフルーティで美味しい白ワインでしたよ。料理を待っている間に、女の子の店員さんが、地元の方ですか?などと話しかけてくれたので愛媛から〜仕事で〜先週から〜などと答えたりしておりました。ちなみにその子は香川出身だそうで、お隣ですねーなどと親しみを覚えましたが、まあそういう他愛もないことをお店の方や偶然居合わせたお客さんと話しながら、独りでお酒をちびちび楽しめるのがバル飲みの魅力なのだろうと勝手に思っております。
さほど待たずして前菜5種盛りがやってきました。おおっ、こちらはまた洗練されている感じが!
先のポルポイチロクさんのとはスモークサーモンが被っていましたが、そこはゲームっぽく言うと「同じアイテムを複数ゲットすることで戦闘力がレベルアップ」みたいな感じでしょうか(自分で言ってて意味わからん)。好きなメニューだから二度食べたっていいんです。それより特筆すべきはスモーク枝豆!!これ癖になる!!
そんな感じで独り飲みでも舌鼓を打ちながら堪能していたわけなんですけれど、当初の目的を忘れるわけにはいきません。厨房の男性が店長だということは容易に推測できますが、その人は間違いなくポルポイチロクの初代店長とは別人です。今日は彼はこちらにはいらっしゃらないんですか?と一言投げかけてみれば即解決しそうなものですが、どういうわけか、その一言を容易に声にできないような空気も感じてしまうのです。単なる気にしすぎだけだと思うんですけど。
で、まあ、早々と、独り3次会行くか!ということを決めてしまったのですよ。特に何かが気に入らないとかいうことではなく、もう一軒のポルポへ行けば尋ね人に会えるような気がしたからです。もしそういう目的がなく、時間も予算も有り余る状況でふらりとこのポルポ2に立ち寄ったのなら、もっともっと美味しい料理を楽しんで泥酔していたはずなんですが。というか酒のアテとしては手が込んだ料理を出していて贅沢すぎるくらいに思えたんですけどね、また今度、フラットな感覚でお腹を空かせて訪ねたいと思います。
という経緯で、もう一軒。ポルポへもはしご酒してしまいます。おいおい嘘だろ。