昨日紹介したBeer Bar a Clueさんで、本来は軽く一杯だけ飲んで、美術館とか博物館とか次の目的地へ向かうつもりだったのですが、結局2杯飲んで長居してしまいました。マスターとだけでなく、広島市からやってきたビール通な先客の方や、後から入ってきたお客さんで数年前に尾道へ移住してきた60代の方とも話したりして。
そういうビール片手に見知らぬ人と話が弾むカウンター席って好きな場所なんですけど、気づいた時にはこりゃ美術館とか寄ってるとライヴに間に合わないぞというような時間になっていました。電車に乗って福山へ戻り、ホテルにチェックインしてひとっ風呂浴びて、バスの経路と時刻を調べているとあんまり余裕がない感じ。
つまり何が言いたいかというと、今回の福山レポートは飲み食いばっかりってことです。
えー、では。ライヴの後で空腹を満たすために立ち寄ったお店のお話。福山に来たけどどこ行こうかなあ?とTwitterで何気なくつぶやくと、すぐさま飛んできたリプライでお薦め頂いたお店です。
お店の名前を聞いて、ふーん、ランチ向けの食堂かなあ、中華そば食べたばかりだし、夜もやってるんなら晩御飯はそこにしようか、くらいに思っていたのですが、実はやっぱり(その人が薦めるくらいなんだから)夜の独り飲みにうってつけのお店だったのです。その名も「自由軒」。場所は福山駅前の天満屋デパートのすぐ南側です。
もうちょっと露光とか考えて撮ればよかったのですが、お店の外観はこんな感じ。いかにも老舗の洋食屋さんという佇まい。
看板の文字が光って見えませんが、「おでん・洋食 自由軒」と書かれています。暖簾のほうにも書いていますね。え、待って、洋食屋さんなのにおでんがあるの?
疑問は置いといてひとまず暖簾をくぐってみました。奥に向かって細長くコの字型のカウンター席があります。しかしほぼ満席。丁度入り口近くの二人連れの人達が帰ろうとするところだったので、そこに座ってと思ったら自分に続いて別の二人連れのお客さんが入ってきたので、その席は彼らに譲り、わたくしは常連さんが詰めて空けてくれたやや奥の席に座らせてもらいました。
おでん・洋食と書かれていましたが、カウンターに座っている方々はほぼ皆さんビール飲んでいましたので、わたくしも安心して瓶ビールを注文しました。二人連れや少人数のグループもいらっしゃいましたが、一人飲みをしている人の割合も結構だったので、薦めてくれた意味がようやくわかりました。
カウンターの目の前に、テキパキと仕事をするおばちゃん2人がいらっしゃったので、なんとなく撮りづらいなあと遠慮してしまい、お店の様子とかメニューとかを写真に収められなかったのが悔やまれます。気にせず撮ればよかったなあ。
メニューがですね、実はかなり種類豊富で、居酒屋としか思えないのですが、その中にはちゃんと定食ものもあるし、カレーとかオムライスとか本当に洋食屋さんじゃないか!と声をあげそうなものもあります。
独り飲みだし最初は無難かつ出てくるのが早いおでんから攻めようと考えました。カウンターの端に据え付けられたおでん鍋を覗き込んで、具材を吟味。結局自分の中ではおでん界の三種の神器である大根と卵とこんにゃくをチョイスしました。おばちゃんがささっと鍋からすくってくれて、大きな具材を食べやすい大きさに切って、味噌をかけて出してくれました。
う、これ思ったよりデカい!特に大根、これコンビニおでんの2個分あるよなあ。
松山の甘味の強い麦味噌ではなく、辛味もある濃い味の味噌がまたよく合います。やっぱりおでん味噌ってこういうのが好きですね。松山のおでん味噌は呑んべえには甘味が強すぎてスイーツ感覚になっちゃうんです、ってそれはわたくしだけか。
おでんを平らげた時点で、もう一品頼むなら軽くつまむものとメインのしっかりおかずでご飯系なし、または次で締めのご飯もの食べて終了のどちらかだなと思いました。で、やっぱりメニューたくさんあるから少しでも種類多くと思い前者の作戦で。アスパラの天ぷらを頼みました。
塩をちょいちょい付けて熱々をかじります。ジュワッとアスパラの甘味が口に広がります。至福、至福ですよ。最高のライヴの後のビールとアスパラ天。
そうしてもう一品しっかり系でと選んだのはチキンカツ。あはー、サクサク&ジューシー。ビールもう一本、は止めとこ。でもいきたくなるこの美味しさ。
ひっきりなしにお客さんが訪れて、その後も席を詰めて譲り合いながら幸せな気分でちびちび飲みました。お店の人も常連さんも優しく迎え入れてくれてすごく親切で。ええなあこういうタイプのお店。ライヴの余韻にも浸りつつ気持ち良くほろ酔いになれて、心地よい時間を過ごせました。
そうそう、おばちゃんの話では、こちら自由軒の名物料理はレバテキなんだそうです。文字どおりレバーを焼いたステーキってところなんですが、独特の臭みがないのでレバーが苦手な人でも美味しく食べられるんだとのこと。どちらかというとレバーが苦手な人なので今回は眼中になかったのですが、再訪した暁にはぜひ挑戦してみたいと思います。