大したことではないのですが、少々むかっ腹が立ってヤケビールを喰らっております。飲んでいたらどうでもよくなってきましたが、いずれにせよ何か書かずには寝られないので書いておきます。実家の枇杷の木の話。
実家には大きな枇杷の木がありまして、葉が茂り夏場にはたくさんの実を成らせています。いつから生えている木なのかよく覚えていないのですが、母曰く、いつだったか食べた枇杷の種を庭先に埋めていたら、いつの間にかあんなに大きくなったということで、特に由緒あるものでは無いようです。そんな、ちょっとした軽はずみのようなことで発芽した種が、屋根を軽く越えるような高さにまで成長するようになるなんて、生命力の強さに驚いてしまいます。
本来は、発端がそんなことにせよ、きちんと手入れをしていればそれなりに良い園芸果樹として様々な楽しみ方が出来る木なのですが。適切な剪定なども出来ず放ったらかしで、その上家庭の事情もいろいろあって現在はその家に誰も住んでいないに等しい状態になってしまったので、せっかく実った枇杷の実も手が届かない高さにばかり成ってしまい、鳥たちの食堂になっている有様です。庭には固くて大きい枇杷の枯れ葉がどっさり積もって、掃除も大変なのです。
そんな状態の枇杷の木なのですが、放ったらかすあまり、とうとう苦情が来てしまいました。塀を隔てた隣の駐車場の管理会社からです。塀の境界を越えて枝が伸びて契約車を停めるのに支障があるのだが、こちらで勝手に切る訳にもいかないからどうにかしてほしいということだそうです。だそうです、というのは、わたくし自身まだその文書を見ていないからですが。
それを受け取った父親が昨晩電話をかけてきて、どうすればいいのかと相談してきました。父は特にその木に思い入れがあるわけでもなさそうで、こんなことを言われたら切るしかないんだろうか、でも自分で切るのは困難だから誰かに頼みたい。お前が切ってくれるのが一番良いが、いつから出張で居なくなるのだ?と、そんな感じのことを言われました。
まあ明日の土曜ならまだこちらに居るから手伝えと言うなら手伝うが、それよりもまず、そんな手紙が来たからといって、即座に木を切ってしまう必要もあるのだろうか。それよりまず、その手紙の送り主と連絡をとって、どの程度の損害を与えているのかを確認し、どのような手を打つ必要があるか、それをいつまでにして欲しいのかを聞き出し、こちらだって労力や費用の面で無理は出来ないのだから、折り合いのつく着地点を見つけてからで良いのではないかと思いました。
自分自身もそれほどこの枇杷の木に愛着があるというわけでもないのですが、ただやっぱりこれを、我が家のみんなが何か好展開を希望して伐採するというのならともかく、他人に邪魔だからと言われて切り倒してしまうというのは、なんだか可哀想な気がします。そして、この話を聞いた母親からは、愛着もあるのでどうするべきか迷っているなんていうメールも届いたもので、最善の解決策をどうにか見つけたいなと思ったのです。
それで、昨晩は眠い目をこすりながらあれこれ検索しました。一番は、前々から考えていた、高くなりすぎていた樹高をうまく剪定して低くするという方法です。そんなガーデニング的なことは全くの素人ではありますが、昔伊予柑農家の収穫手伝いをした時に、伊予柑の木の剪定のさわりだけ教わった事があるので、やってみるだけの価値はあるかもしれないと思って調べてみました。
で、検索してみると、やはり同じように、手入れを怠っていたら枇杷の木がグングン育って4〜5メートル位の高さにまで伸びてしまい途方に暮れている人のQ&Aが続々とヒットしました。うわあ、こんなことでも同志がいっぱい居るんですね!さすが俺たちのインターネッツ。
それでは調べて判ったことを記しておきます。
- 生命力の強い木なので、ぐんぐん伸びる。新芽も出やすい。
- 上に伸びる枝を切って、横に伸びていくような枝を数本残す、というのを数年かけて順番にやっていくと良い。
- 脇から斜め上に伸びていく枝は切らず、紐をかけるなどして負荷をかけ下向きに誘導すると良い。枇杷の木はしなやかで誘導しやすい。
- 一度に沢山の枝を切ってしまうとショックで枯れてしまうことがあるので注意。
- 枝を切った切り口には腐食を防ぐ薬剤や、無ければ木工用ボンドでも構わないので塗っておくと枯れにくくなる。
- 本来は9月ごろに不要な枝の付根からバッサリ剪定し、春先に花の部分を主に枝先を少し切るのが良い。
- 枇杷に限らずであるが、枝の根元から切るのは強剪定(きょうせんてい)、枝先を少し切るのは弱剪定(じゃくせんてい)と呼ぶ。
また余談ですが「枇杷の木を庭に植えると病人が出る」という迷信があるそうなのですが。
- 大きめで固い葉がよく繁るので、日陰が出来やすく風の通りも悪くなって家の中の空気が悪くなるから病気になりやすい説。
- 実は枇杷は葉にも実にも様々な薬効成分があるので、それを求めて近所から病人が集まってくるというのが間違って伝わった説。
- そんな薬効に優れた木を誰もが庭に植えると薬屋が商売上がったりになるので薬屋が言いだした説
などが出てきて興味深かったです。
そうやって色々読んでいくうちに、素人でも枇杷なら3年くらいかければそれほど失敗なく樹高を低くすることは可能なのではないかという結論が出てきました。完成するまで細かい手入れも必要になりそうで大変ですが、それで、塀の高さくらいの樹高に出来れば、目隠しにもなるし、果実も取りやすくなるしで丁度良いし。
と思っていたのですが、今日の夕方父親と連絡をとると、植木業者に電話してGW中に根元から伐採するよう手配したと言ってのけるのでした。
おいおい、最初からそうするつもりなんだったら相談なんかしてくるなよ!ぷんすかぷんぷん!
はじめまして!
枇杷の木が伸び過ぎて困っていて、検索したらこちらがヒットした者です(笑)
伸び過ぎているのはお隣の枇杷の木なのですが、種が落ちてうちの裏庭(?)にひょこひょこ伸びてきているので、楽しみながら成長を見守っていたのですが。お隣のおばさんから、『今のうちに抜いてしまいな!』と言われてしまいました…自分家の枇杷の木を手入れしてから言えーー!
枇杷の葉と花と実で、年中掃除が大変なのに!!
すみません!愚痴投稿になってしまいました^^;
ところで、その後、枇杷の木はどうなったのですか?根本から切られたのですか??剪定はチャレンジされなかったのでしょうか??
ELMO様
はじめまして。コメントを頂きありがとうございます。伸びすぎた枇杷の木に本気で困っている方には何の役にも立たないような記事なのに、お読みいただいて恐縮です。
そのお隣さん、「今のうちに抜いてしまいな」とおっしゃるのは、きっとご自分でも手入れが追いつかなくて困り果てていらっしゃるのでしょうね。だから、「こうなる前に抜きなさい、でないとお宅も大変なことになるよ」と。若い芽のうちは育つ姿が愛らしいですけれど、子猫だと思って飼い始めたらライオンだった!みたいなことになってしまうかもしれませんのでそこはご注意を(笑)
我が家の枇杷の木のその後なのですが、植木業者さんによって数日後、根元からばっさりと切られてしまいました。地面から数センチ残った切り株にも薬剤を塗布されて、新しい芽が出ないように処理されていましたね。この記事を書いた時点では剪定にもチャレンジしたかったのですが、なんせ家の屋根もはるかに超える高さにまで成長していたので、今思えばプロに伐採してもらったのは最善の選択だったと思います。理屈では可能であっても、素人が実践するのはなかなか大変だろうな、というのが切り株を見ての率直な感想です。