仕事も詰まってきておりますが、息抜きに今日は日帰りで広島です。ずっとずっと前から楽しみにしていた奥田民生さんのライヴを観に行ってきました。そうです、お一人でギター弾き語りをするスタイルの、「奥田民生ひとり股旅スペシャル＠マツダスタジアム」。この素晴らしいライヴを生で目撃できてとても幸せです。

実はこの秋冬は自分にしては久々にライヴ三昧なシーズンになっていて（たまたま重なったのです）、いろいろなアーティストやバンドの音楽を代わりばんこに聴いている感じなので、本音を言うと前日辺りまであまり自分の中では民生熱が上がっていなかったのです。

今日になって、港まで原付を走らせている時に、「CUSTOM」という歌が不意に口をついて出てきたので、ようやく民生モードに切り替わったかと思い、それと同時にこの歌も今日歌って欲しいなあと思いました。実際、歌ってくれたので嬉しかったです。さらに、この「CUSTOM」と対になったような曲「The Standard」まで。それだけでも気分上々なのに、人生のテーマ曲とも言いたい「イージュー☆ライダー」や隠れた名曲「野ばら」、ユニコーン時代の「デーゲーム」「雪が降る町」なども。

ダラダラソングの最高峰「674」からスタートして最初のうちはゆるくだらりと力を抜いた感じだったのが、ラストの「さすらい」、アンコールの「最強のこれから」「風は西から」へと力一杯駆け抜けていく感じのラストで、興奮の坩堝へ投げ込まれました。

また、この「ひとり股旅」ではカバー曲を演奏することも魅力の一つで、休憩を挟んでの中盤に結構たくさんやってくれました。11年前の広島市民球場でのひとり股旅では、フジファブリックの「桜の季節」やアジアンカンフージェネレーションの「君という花」、矢野顕子さんの「ラーメンたべたい」などをまるで自分の持ち歌のように味付けして歌いこなしていたのですが、今回は何をやってくれるんだろうとワクワクしておりました。

西野カナさんの「Darling」を歌い始めた時は、おおっ、そうきたかと笑みがこぼれましたが、続く吉田拓郎さんの「結婚しようよ」や矢沢永吉さんの「アイラブユーOK」などは、悪くはないんだけど、ちょっと選曲に意外性が乏しくて普通だなあと感じてしまいました。もうちょっとグッとくる曲をやってもらいたいものだけれど、そうそうハマる曲が見つからないならカバーよりオリジナル曲をやってもらいたいなあ、なんて思っていた時に、不意打ちで真心ブラザーズの「人間はもう終わりだ！」を歌い始めたのです。

これが切れ味抜群で、ぐっさりやられました。これですよ、これ。聴きたかったのはこういうカバーなんですよーっ！とグラウンドに向かって叫びたくなりました。

ああ、今日のクライマックスはこれだな、とお茶を飲んで一息ついたような気分になって、カバー曲コーナーもこれで終わりで次はまた昔の曲をやるかな？と落ち着いた気持ちで曲間のトークを聞いてたのです。そうしたら。

完全に油断していたところに、掻き鳴らされたアコースティックギターのフレーズは、あれ？もしかして？これどこかで聞いたような？あーーーっ！

実はわたくしも密かに、いつかこれ弾き語りしたいなあとぼんやり思っていた、Thee Michelle Gun Elephantの「世界の終わり」でした。こ、これ、民生さんが歌うのかっ！

はい、もう圧巻としか言いようが無い、素晴らしい歌になっていました。あんなに寒くて寒くて凍えそうだったマツダスタジアムの２階スタンドで、あの「世界の終わり」を聴いただけで、体中の血が沸騰して巡るかのような熱さを覚えました。本当に、歌い終わった時、聴いてただけなのに汗ばんでしまうくらいでしたから。間違いなくこの歌がこの日のハイライトであり、これを聴けたなら広島まで来た甲斐があったと思えましたし、この瞬間を目撃出来たことは歴史的快挙のようにも感じました。本当に、本当に、観に行けてよかったです。

ところで。今日配布されていたチラシ類の中に、中国新聞特別記念号という形でこういう新聞が入っていました。

11年前の旧広島市民球場でのひとり股旅は、10月30日に開催されたのですが（わたくしの33歳の誕生日でもありました）、その時はまだ薄着でも大丈夫な季節でした。今回は11月28日ということで、しかも数日前から急に寒さが厳しくなって、今朝もどれだけ厚着して防寒具を用意すべきかと悩んだものです。どうせならあと1ヶ月早くやってくれたらよかったのに、なんでこんな寒い時期なんだよ、と不満もこぼしていたのですが、この新聞にその答えが書かれてありました。

マツダスタジアムはプロ野球のオフシーズンは市民の野球に可能な限り開放するという規定があること。しかし今年はカープが芝の全面張り替えを計画しているため、秋の一般貸し出しは休止するということ。カープの日程を最優先するという条件であるが、カープファン感謝デーの11月23日以降、張り替え工事が始まるの間にわずかな日程の空きがあること。という奇跡のような偶然が重なって、今日ならば開催できるということになったのだそうです。しかもそれが奥田民生さん50歳の記念イヤーに実現出来るというのは、すごい幸運なのでしょうね。

あれこれ曲名も出て来たので動画でも貼りたいところですが、今夜はスタジアムでの歌の余韻に浸りたいので、気になった方は各々グーグル先生やSiriに問いかけて下さいませ。ではではぐーない。