映画「妖怪ウォッチ」を観る

昨日は1日でしたから、映画が1100円で観られるので映画館へ行きました。何を観ようかと迷う事無く、しかし恥ずかしながら43歳独身男性が一人でこれを観に行くのに躊躇いはありましたが、思い切って観てきました。「妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン」を。

実はここ数日、テレビアニメ版の「妖怪ウォッチ」を観る機会を得られまして、試しに観てみたところ、これが案外面白かったので、どうにも止まらなくなり、あるだけ全部観てしまいました。それで、じゃあせっかくだから劇場版も大きなスクリーンで観ておくか、という気になったのです。

そもそもこの妖怪ウォッチに関しては、いつの間にかよく名前を耳にするようになったな、くらいしか関心がありませんでした。小学生の間で流行っているらしいこと、ゲームソフトのほうが主体で、アニメはいわゆるメディアミックス展開のひとつだということ、たくさんのキャラクターグッズが発売されていて大人気だということくらいは知っていましたが。

そのキャラクターグッズの中でも、ジバニャンと呼ばれるキャラクターが最も人気のようで、食品や日用品などを買いに行くと店頭で必ず一度はこのキャラクターがプリントされている商品を見かけます。実は正直言うと、このジバニャンに関しては、なんとなくドラえもんとピカチュウのいいとこ取りをしているように見え、ちょっと受けを狙いすぎてあざといなあという印象を持っていました。

そのちょっとしたジバニャンに対する拒否反応のようなものが、ずっと妖怪ウォッチを遠ざけていたのですが、毎日のようにキャラクター商品で見かけていると慣れてくるのでしょうか(それとも妖怪なので取り憑かれたのか…)、だんだんジバニャンが愛らしく見えてきてしまい、食わず嫌いも良くないから試しに、と思ったのが運の尽きでした。

テレビアニメ版を観てみると、可愛らしい見た目、愛嬌のある性格、そして可哀想な境遇のジバニャンにまず感情移入してしまうようになりました。それから、ストーリーがなかなかのナンセンスギャグ満載で、しかも子供には解りづらいであろう所謂オヤジギャグと今時のあっさりとしたツッコミでテンポも良くて、かなり笑わせてもらいました。

とにかくギャグの素材が30代以上じゃないと解らないでしょ、というようなものが多いのです。例えばドラマ「101回目のプロポーズ」の名台詞「僕は死にましぇーん!!」をジバニャンに言わせるなど。明らかに小学生ではなく、小学生を子供に持つ30代〜40代のお父さんお母さんを狙って脚本書いているでしょ、という印象です。子供に対しては、解り易い繰り返しやリズム感、格好良い決めポーズなどの好まれる要素も交えつつ、大人にはナンセンスでシュールなネタをぶつけてきて、結果家族みんなで楽しめる作品に仕上げているのですよ。最初にジバニャンに感じたあざとさ同様、いえ、あざとさなんて失礼な表現をやめて良い表現にすれば、かなりマーケティング戦略を練っている作品だと感じました。これはヒットすべくしてヒットしたのですね。

あとこれは、製作スタッフのどなたかのインタビュー記事だったと思うのですが。主人公の小学生ケータはやる事なす事周りから普通だと言われ、それがコンプレックスになっているという設定なのですが、これは現代の子供が個性重視、個性を伸ばせと言われ続けていて、それに対して疲れてしまっているのでケータに共感しやすいということらしいのです。もう0点取るばかりののび太に共感出来る時代ではないと。

そういえば確かにそうですね、今は個性個性と何か突出していないと認められないような風潮もありますね。わたくしとしては、普通であり続ける事というのも結構難しく才能の必要なことと思いますが。

それはともかく。そんな風にアニメ版である程度勉強してから観た劇場版ですが。まあ期待を裏切る事もなく、テレビアニメでは出来ない劇場版らしい展開をきちんとしていて、良い作品だったと思います。わたくし恥ずかしながら、ジバニャン可哀想!などと、ところどころで目頭を熱くさせておりました。結構涙もろいのです。特にああいう「友達を助けにいかねば」的な話には弱くて。

いい歳して、と冷静な自分の視点でも思うのですが、まだしばらくは妖怪熱が冷めないような気がします。早くも来年の12月に映画第2弾の公開が決定しているそうですが(これは第1弾公開前に決定するという異例のことだったそうです)そこまで夢中でいられるかなあ?まあでも、子供さんがどういうことに喜ぶのかを観察するのも仕事の一環と言い訳しながら、観に行くかもしれませんが。

ということで、友達の子供達を訪ねて、妖怪談義がしたいような気分の午後です。

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