早く寝て充分な睡眠をとる。その作戦は間違ってはいないのですが、そう簡単に回復するかというとそれはまた別の話のようで。今日なんて朝起きてみると、なんと声が出なくなっていました。これはびっくりです。

かすれかすれの声がうーあーと微かに出せる状態から、出勤前までにどうにかガラガラの声で少し喋れるくらいにはなりましたが、正直言って仕事には差し支えがあります。しかし不思議なことに前夜までの喉の痛みや時折の咳き込みはピタッと止まって、単に声が過剰にハスキーなおっさんでしかなくなっていました。昨晩飲んだ風邪薬が効いたのかどうなのかよくわかりません。

で、ですね。わたくし二十歳の頃に、今回同様風邪ひいて声が全く出なくなってしまったことがあったんです。その時はまだ出たばかりのフィニッシュコーワスプレーで喉をピュピュッと消毒し続けて数日で声が出せるようになったのでした。

そういえば当時はまだメールも携帯電話も普及していない頃で、友人との約束を延期にするにも固定電話を使うしかなくて、受話器を取った相手がうぅ…ああ…としか言えないわたくしの声をイタズラ電話だと思ってガチャ切りされたのを今でも覚えています。

それはどうでもいい話ですが、それから10年くらい経って、今度は芝居の世界に足を突っ込んでいた時の話。本番数日前だというのに一緒に舞台に立つ友人が突然声が出なくなったというのです。

周囲は大丈夫か？これは降板することになるのではないか？代役は誰ができるのか？と騒然としていたところ、その本人が「大丈夫、この薬を飲めばすぐ治るので今夜にでも薬局で買ってきます」と言うのでした。それがこの漢方薬。

響声破笛丸料という凄そうな名前の薬。きょうせいはてきがんりょう、と読みます。

で、実際その当時彼はこの薬を飲んでたちまち声が復活して無事に舞台をこなしたのです。そんな記憶があったので、そうだ！声が出ないならあれの出番だ！とまたまた薬局へ自転車を走らせて購入したのです。が。

いろいろ調べてみたらどうもこれは、効くことは効くのですが、どちらかというと喉を酷使した場合のしわがれ声にはテキメンなのだということなんです。今回のような風邪の症状が声帯にきてしまった場合のしわがれ声の場合は効果がないわけではないけれど違う漢方薬の方が適切なんだそうで。

やっぱり素人判断はいけませんね。食前に１包飲んでしまったけど、どうなってしまうでしょうか。奇跡的に効いてくれることを願いつつ今夜も早めにベッドインします。