明日の得意先勤務日との間にぽっかり一日空いた格好になったので、急遽思い出した年末調整をやっつける日にしようと思いました。夕方から。結果として朝からやってりゃ良かったなと。
いろいろ複雑な計算っぽいものも、去年のデータや税務署から郵送された手引きを見ていたら、元々がそう複雑な条件(扶養家族が居たり住宅借入金が有ったり)ではないので割と簡単に全てが済むと思っていたのですが、思わぬところにトラップが仕掛けられていたので、また税務署に行って教わらなければ。
ところでこの前ある知人がSNSに、「年末調整の書類やっと書けた〜!面倒だけどこれ出さなきゃお金返って来ないもんなー」と書き込んでいました。わたくしもこの会社を始める前までは、そんな感じでおりました。
しかしですね、言うところの「年末調整の書類」=「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」&「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」を記入することなんて、提出してから先の作業に比べたら面倒臭いのレベルが違いすぎます。自分の給料の年末調整をやってみて、経理の方々の大変さが身に染みましたよ。自分一人分でも面倒で億劫で。
前述の正式名がとても長い書類達を提出してからどうなるかと言いますと、それによって控除額を計算するわけですね。配偶者がいたら控除の対象になって、給与からその分マイナスした所得額が課税対象となります。つまり所得税額が低くなる、と。
そんな感じで「給与所得者の扶養控除等(異動申請書」のほうは、配偶者いるよ、16歳以上の扶養家族いるよ、勤労学生だよ、障害者だよ寡婦だよ、みたいな事を申請して控除を受けられるように提出するものです。個人的には法的な名称とは言え障害者控除とか寡婦控除とかの表記、どうにかならんかえと思いますが。
もう一方の「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」のほうは、生命保険掛けてるよ、地震保険掛けてるよ、などを申請して保険料の控除を適用させる為のもの。それと配偶者特別控除は控除対象配偶者に該当しない人を有する場合に38万を限度に控除するという制度で、配偶者のいないわたくしには縁のない話でした。
まああのよく言われる、パートの奥さまは年間103万以内で、超えても141万以内で、みたいなのの意味はこの辺に由来することのようです。
もうなんか、ここらで既にうんざりですね。
それで、これらを経理担当に提出してどうなるかですけど。まず月々の給料を計算する為に「源泉徴収簿」なるものを作成するわけです。こんなのです。
これは税務署から送られる資料の中に入っている様式なのですが、絶対にこの用紙を使いなさい、というものではないそうです。でも給与計算ソフトも使わないのだったら、この源泉徴収簿に記入して計算するのが一番手っ取り早いですよと税務署で言われたので使っております。
この表には月々の給料を支払う際に、支給金額、社会保険料などの控除額、差し引いた金額などを書き込みます。さらにその控除後の金額を源泉徴収税額早見表で算出して、源泉徴収税としていくら天引きしたのかを毎月記録しておくのです。
そしてこの表の左側に1月から12月までの一年分が書き込まれたら、右側に年末調整の計算の為のスペースがあるので、そこに様々な金額、控除額などを埋めていくのです。
そして表の指示通りに、この欄とこの欄とこの欄を足して、それからこの欄の数字を引いて、みたいな作業を下へ進めると、この一年でどれだけの金額を源泉徴収税として既に収めていて、それと実際の年収に対する課税額にはどれだけの差があって、だからこれだけ余分に前払いしてしまった形になっているので返金しよう、という感じで還付金額が決まるということなのです。たまに、課税額に不足していて還付金どころか12月の給料から徴収される場合もありますが。
で、会社としては、各々の給料から源泉徴収したお金を「預り金」として一旦プールし、それを然るべき期日までに国へ納付する仕組みになっています。
給料明細の視点で見れば、単に還付金が追加されたような形で支給されますが、これを会社サイドから預り金として見ると、どんな処理がされるかと言うと、まず12月の給料で天引きする源泉徴収税の額と相殺します。それでもまだ還付額のほうが多ければ、翌月の源泉徴収税額からも相殺します。そうやって還付額分を納付しないという形で処理していくのです。
そこまで理解できて処理も終わったのに、ここで新たな問題が浮上しました。昨年度の黒字額が厳しいものだったので、今期は自分の役員報酬を下げられるだけ下げました。そうしたら(お恥ずかしい話ですが)源泉徴収0円というレベルになってしまったのです。
そして昨年の報酬額ではある程度課税されていたため、還付額もいくらか出てきたのですが、では会社の資金から還付金は出せるとして、相殺する為の今月の納付税額はというと0なわけです。これでは還付金額分を納付額から相殺と言ったって納付額が元々0円なのでどうにもならない、ということなのです。
多分解決策はあるはずなのですが、今日はもういいやと投げました。というような難しいトラップです。また後日、税務署へ相談に行きます。