役員報酬のおはなし

数日前の契約見直しの話に始まり、朗読会だ、広島出張だとバタバタしていたら、とっても大切なことを忘れてしまっていました。給料日。自分の口座に支払をする期日をすっかり忘れてしまっていたのです。え?入るべき給料が入ってなくても気づかないくらい蓄えや稼ぎがあるわけ?というツッコミは入れないで下さいよ。

(念のため書いておきますと、それについては、わたくし普段からマイル稼ぎのためにあんまり現金を使わず、翌月一括のクレジットカード払いを多用してるもので、給料の振込が数日遅れたくらいではさほど支障が無いのでした。間に支払日を挟んでしまうと即刻アウトですが)

ところで。どうせ自分ひとりだけでやってる会社なんだから、自分で好きな時に好きなだけ、自分の給料としてお金を移動させればいいんでしょ?と思われている人もいるかもしれませんが、実際は決してそんなことはないのです。個人事業主であればそういう感覚でお金を使うこともできるかもしれませんが、法人の役員という立場ではそうはいきません(ちなみに個人事業主の場合だと、仕事用と個人用の財布を分ける必要が無いので逆に「自分で自分に給料を支払う」という概念がありません)。

何度か書いたかと思いますが、たとえ同じ人間が一人で経営していたとしても、法律上は個人と法人は別の人格とされているので、お財布もきっちり分けなければいけません。なので、会社に対して入る売上金はあくまでも会社のもの。そこで働くわたくし個人は、会社から給料を支払われるような形で報酬を受け取るわけです。ただし厳密に言うと役員報酬となって、社員の給料とは扱いが違ったりもします。

ところで、会社は売上という収入を得る為に、様々な経費を使い、その差額が利益となるわけです(損失となる場合もありますが)。その経費の中にはもちろん、従業員に支払う給料も含まれます。で、それならば役員に支払う役員報酬も経費になるはずなのですが、これには面倒な条件がついています。基本的にはその条件に当てはまらない場合、役員報酬は経費(損金)には含める事ができません。

含める事が出来ないということはどういうことかというと、利益が大きくなります(でも役員報酬は支出しているので実際は大きく見えてしまうだけです)。利益が大きくなるということは、利益に対してかかる法人税の金額も高くなるということです。ということは、勘の良い方ならお解りですね、税額を抑えたければ役員報酬を経費に含めなければいけないので、条件に当てはまるようにしなければならない、のです。

で、その条件。現在の法令では次の3つのパターンにあてはまれば良いことになっています。それらは国税庁のウェブサイトにも載っています。

1、定期同額給与
2、事前確定届出給与
3、利益連動給与

なんだか難しくてよく解りませんね。特に2と3はよく解っていません。ということで、弊社では1を採用しております。平たく言ってしまうと、決算日で区切った1年間は月々の報酬額を同じ金額にしておくなら経費として認めてあげてもいいよ、報酬額を変更するんだったら決算から3ヶ月以内に決めてね、というような感じです。なので弊社も一期目が終わって二期目に入ってから役員報酬の金額を変えましたが、次の決算が終わるまでは、この金額を維持しなければなりません。

なんでこんなことが決められているかというと簡単な話で、そうでなければ決算前に予想外に儲かっちゃった企業が、このまま決算を迎えたらとんでもなく税金とられちゃうから役員報酬を上げちゃえって感じで利益操作ができてしまうからです。法人税逃れの為に自分の報酬を上げてダブルでウハウハだなんて、さすがにそれは国が許しちゃくれないのでした。

逆に、月々同額の報酬でも、例えば急激に経営悪化して役員報酬額を下げなければならなくなった、というのは認められます。報酬を下げれば経費と認められる金額も下がって利益が上がって税額も上がる、と。さすが国税庁、抜かりがありません。でも業績が回復したからまた上げる、という訳には簡単にいきませんので慎重な検討が必要です。

そういう仕組みがあるので、役員報酬の金額を決めるのは、案外難しかったりもします。これくらいでいいだろ、と思ったら予想外に売り上げが上がって、もっと報酬額も上げておけば良かったと悔しく思ったり。ちょっと高めに報酬額を設定しておいて、それに見合うだけの売上を自力で頑張って獲得するというのが良いのかもしれませんが、目標を高く掲げるのは良いとしても、その分社会保険料も上がってしまいますしね。たかが自分の報酬額を決めることであるけれど、経営センスを問われるようで緊張しますよ。

というような話をダラダラと書きましたが、給料の振込手続きをする為に計算を何度もやり直して信用金庫さんの窓口へダッシュして終わった一日でした。明日はもっとテキパキと!

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