いわゆる鉄オタという域には達していませんが、わたくし子供の頃から鉄道は大好きです。鉄道好きにもいろいろなタイプがありますけれど、実際に乗ったり路線図を眺めたりするようなことに楽しさを感じます。そして、これがちょっと普通の人と比べてマニアックだなと思うのですが、鉄道のようで鉄道じゃないような乗り物により一層エキサイトしてしまいます。例えば新交通システムやモノレールやケーブルカーなどなど。日本全国のこういう乗り物は全部制覇したいなと密かに思ったりしています。
広島には中心部の本通からサッカースタジアムのある広域公園前までアストラムラインという新交通システムが走っていますが、こちらは既に走破済み。ですが丁度、JR山陽本線との接続駅になる新白島駅が昨日開業したばかりだと言うので、そこを経由してJRに乗ることにしました。
地下にある本通駅からアストラムラインに乗り込んで、3駅で新白島駅です。この区間はずっと地下を走っています。余談ですが同じように地下を走っていても、本通から次の駅の県庁前駅の区間だけは鉄道事業法に基づく「地下鉄」扱いになるのだそうです。車輪はゴムタイヤですし、なかなか個性的な鉄道ですね。そして駅舎のほうも個性的なデザインでしたよ。
アストラムラインを降りてJRに乗り換えるには、一度改札を出て少し歩かなければなりません。これはアストラムラインで利用できる広島エリアの電子マネーPASPYがJRでは利用できないことも関係しているのでしょう。そして広島駅へ向かうJR上り線のホームへは高架下の連絡通路も通らなければならないので注意が必要です。意外と時間がかかります。
さて、JRに乗りまして広島駅も通り過ぎ、さらに東広島方面へと向かいます。30分くらい乗って山間を進み、綺麗な川沿いにある瀬野駅で降りました。まだギリギリ広島市内の安芸区です。ここが今回の目的である路線、「スカイレールみどり坂線」の乗り継ぎ駅なのです。
スカイレールみどり坂線とは。この瀬野駅の北西に広がる住宅地スカイレールタウンみどり坂のために設置された、モノレールとロープウェイのハイブリッドのような乗り物です。つまりはニュータウンの住民の為の、いわゆる生活の足です。ですがそれでも、れっきとした軌道法に基づく交通機関なのです。終点まで乗ったところで、知らない人たちが住む住宅地しかないのですが、とにかく乗ってみます。
JR瀬野駅と直結しているみどり口駅へ向かおうとすると、まるでジェットコースターかと思うような鉄柱の連なりが見えます。この傾斜のきつさにビックリしてしまいます。
実際に乗ってみますと、思ったよりもゆっくりしたスピードで、ロープウェイより安定感があってそれほど激しく揺れません。傾斜がきつくても乗っている分にはあまり関係がなく、ふわふわと快適な空中散歩のようです。途中駅のみどり中街を過ぎて終点のみどり中央駅までおよそ5分ほどで到着します。
みどり中央駅に着いてから、すぐ折り返しで戻っても良かったのですが、駅の下に広い公園があったので階段を降りてみました。間近で見るレールの鉄柱はかなり巨大で高さもありました。間もなく一便見送った車両が下っていき、しばらくしてみどり口駅から上がってきた車両が頭上を通り過ぎました。小さくてかわいい乗り物に思えますが、グワーっと近づいて走り去っていく様は、やはり鉄道としての格好良さも感じさせます。こんな写真を撮りながら子供みたいに興奮していたのは内緒にしたいところですが、自分で書いておいて何をか言わんやですね。
気になる運賃は片道160円。自動券売機で切符を購入します。切符には二次元バーコードが印刷されてあり、それを自動改札機でスキャンするとゲートが開いて入場できるというちょっと変わったシステムです。しまった、自動改札機の写真を撮るの忘れた。
こんな交通システムを作ってしまうくらいの広大な住宅地なので、利用客もそれなりにいるようで、自分だけの貸切車両になるかと思いきやそんなことはありませんでした。なんせこの街の中に小学校もあるくらいですからね。聞いた話では、この小学校が出来るまでは瀬野駅から少し離れた小学校まで通学しなければならなかったので、安全の為に小学生専用車両が運行されていたそうです。
今のところ日本で唯一のスカイレール式交通システムであるスカイレールみどり坂線。わたくしにはたまらなく魅力的な憧れのスポットだったので感無量です。これを読んで同じようにピンときたマニアックな方は是非一度乗りに行ってみて下さいね。