読みだしたら止まらない!小説「止まりだしたら走らない/品田遊」を一気に読みきった

今日は喉にきています。朝から痛いのです。頭もぼんやりして思考回路が速度低下しているのもずっと続いています。頭に関しては、もうこれがデフォルトになってしまったのではと思うほどです。

そんな中なのですが、今日は思いがけず一冊の本を読みきりました。昨日図書館で借りた本、ではなく、先日の東京行きの際に吉祥寺のパルコブックセンターで買ったものです。

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この本なのですが、品田遊(しなだ・ゆう)という方の「止まりだしたら走らない」という小説です。もうなんだかこのタイトルの、腰がへなへなっと抜けるような感じがたまりませんね。

わたくしとしては、このタイトルだけでも絶対に手に取ってしまう感じなのですが、実はこの品田遊という作家さん、小説家としては新人作家ではありますが、Twitter周りのネット界隈では有名なオモロ系ライター「ダ・ヴィンチ・恐山」さんの別名なのです。そっ、それは手に取らないわけにはいかない。

自分自身はダ・ヴィンチ・恐山さんのアカウントをフォローはしておりませんでしたが、時折リツイートされてくるつぶやきを見ては、面白い発想の人だなと気になっておりました。これ書き終わったら改めてフォローしようっと。

それで、この小説なのですが、出版社の人に「書けば?」と言われたので書いた、という話がオモコロの特集記事にありましたが、まあそれはネタだと思います。もし本当にそうだとしても、よく構成を練っている見事な作品に仕上げられたものだと感心します。

物語の舞台はJR中央線。本を最初からめくっていくと、まずタイムアタックという章から始まるのですが、これは独立した掌編小説。次は銀の鈴前という章で、全く別の登場人物の話になるので、これは短編集なんだ、と思ってしまうのですが、この銀の鈴前の章の方は続きがあるのです。

その続きは、登場人物である都築くんと先輩が一緒に中央特快に乗り込み高尾山まで行く中編小説になっていて、それを軸に、全く違う登場人物が出てくる話がいくつも間に挟まっているという構成をとっています。そのショートストーリー達も、もしかしたらさっきの話に出てきたあの人と同じ人?と考えられて話が繋がっているような部分もあります。

そういえばこういう話が行ったり来たりして予想外のところで繋がったりするのって、芝居をやっていた頃の好きなパターンだったなあ。

不条理な感じのギャグもあり、ちょっとドキッとさせるような鋭い考察もありで、ぐいぐい話の世界に引き込まれました。個人的には挟み込まれたショートストーリーのほうが興味深くて、軸となる都築くんと先輩の話は淡々と終わるのかなと思っていたのですが。

先輩まさかのどんでん返し。

いやあ、やられました。最後の最後の違和感で、また始めに戻って読み返しましたもん。でもそんな決め手になる記述は無くて、人間の先入観すげぇ!と恐れ入りました。

それにしても、中央線というひとつの路線でも、一日に何本もの列車が行き交って、何万という人が乗っていて、そこにたまたま乗り合わせた人達にはその人の数だけ違う人生があって、違う乗車理由があって、違う行き先があって、というようなことを考えると、なんだかすごいドラマが行き交っているんだなあと再認識しますね。

そういう着眼点の深い短編集でもあるわけで、現代社会の細部も見事に炙り出しているにも関わらず、軽く笑える小説として楽しめる風体であるのが凄いなあと感服しておるわけです。

あと、この本の魅力として忘れてはいけないのが、挿絵をerror403(エラーくん)が描いているということです。この方もネット界隈では有名な新進気鋭のイラストレーターでありクリエーターの方。普段は三角形の可愛いキャラクターなんかを描かれていますが、この本はちょっとタッチの違う、モノクロのイラストで、物語に不穏な空気だったり奇妙な感覚だったりを添えてくれています。

久しぶりに小説を一気に最後まで読み切ってしまいました。タイトルは「止まりだしたら走らない」ですが、「読みだしたら止まらない」作品でしたよ。次回作にも期待ですし、これ映画化されたりしないかなあと、そちらにも期待です。

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