服屋の店員さんに話しかけられるの苦手なんですが勉強させて頂きました

オサレとは縁の無い世界で生きていると自負しております。自負?違いますね。そんな事に誇りを持つどころか劣等感の種じゃないですか。何を着れば周りから変な目で見られないだろうか、などとびくびくしながら毎日着るものを選んでいます。でもそのくせ、ヘンテコなデザインのTシャツを好んで着たりするので、本当は変な目で見られたいのかもしれません。

そのヘンテコなTシャツのように、お店で陳列されている商品を眺めて、「あ!これ格好良いな」「あ!これ可愛いな」などと直感的にピンと来たものを、一目惚れのような勢いでカゴに入れて買ってしまうことがよくありました。40も過ぎての割と最近になって、そういう買い方をする人はファッションセンスが無いのだという記述をネットで見つけて目からウロコが落ちました。人生半分も過ぎて遅い気づきですね。

それの何がいけないのだ、という問いの答えですが、オサレさんはひとつのアイテムそのものの格好良さ・可愛さではなく、それを他のものと組み合わせて着てみた姿まで想像して、格好良いと判断して買うのだそうで。まあ確かにそうですよね。裸にTシャツ1枚で出掛けることはありませんからね。

それはさておき、今日は久しぶりに服屋さんへ立ち寄ったわけです。明日、初対面の方10数名とお会いする予定があるので、あんまり小汚すぎるのもどうかなと思い、特にくたびれ方が気になっているズボンを買おうと思ったので。

実はこの冬シーズンは暴飲暴食の効果がてきめんだったので、ジーンズ1本を残して全部サイズがきつくて入らないという恐ろしい現実にさらされている状態なのです。そしてその唯一のジーンズも、ローテーションができずそればっかり穿いていたため、傷みが早く目立つようになってきたのです。ちょっとみっともないし、代わりに穿けるものも無いので、クレジット締め日前だというのに泣く泣くの出費です。

とりあえずいつも通り奥の方のボトムスコーナーへ向かい、セールと表記がある棚のところで立ち止まって、赤い印のある値札をチェックしながら自分に合いそうなサイズを探し始めました。普段ならここで適当に3本くらい引っこ抜いて試着室へ直行で、なんとなく気に入ったものを買う感じなのです。ですが今日は平日の昼間、買い物客の姿はほぼ見えません。店員さんのほうが多い位。なので手が空いていたらしい店員さんがすかさず近づいてきました。

「今日はパンツをお探しですか?」と声をかけられ、心の中で「そのパンツって呼び方、下着みたいで嫌なんだけどなー」と思いながら、そっけなく「ええ」と答えました。あんまり店の人に話しかけられるのは得意じゃないのですが、それは高いものを売りつけられるのではないかという警戒心と、自分のセンスの無さをバカにされてしまうという恐怖心からなのでした。

その「ええ」で察して、大抵の店員さんは「サイズ探しますから声かけて下さいね」とか言って離れるのですが、今日の女性店員さんはひと味違いました。「どんなシルエットのをお探しですか」と食いついていらっしゃいます。し、しるえっと…?実はよく解っていません、そういうの。

うーん、と唸っていたら、新商品のこちらなんかいかがでしょう?おすすめですよ!とペースに乗せられそうになってきたので、「あ、そういう素材のものはちょっと…あまり好きではないので」と本当に好きじゃなかったので断りました。もっとベーシックなガシガシゴワゴワの生地のを穿きたいのですと言いましたら、じゃあここと、この裏側のワゴンはお薦めしません、あちらの壁側の棚のが良いと思いますよと弾丸のように話し始めてくれました。

あーあー、向こうのペースに乗せられてしまったかなあと思いながらも、この辺のは好みに合わないと思います、という風なこともはっきりと言ってくれたので、まあ信用して説明を聞いてみようかという気になりました。それでこちらの好みを聞き出したりしながら、最終的に3種類ほど選び出して下さって、試着することにしました。想像よりも商品知識豊富で、的確に素早く型番を頭の中で探し出されてピックアップする様子に少々驚きました。

それで足を通して、ひとつはサイズアップしたものと取り替えて、もうひとつは割とぴったりで、もうその2本のどちらかで決まりだなという感触をすぐに得ました。ちなみに片方はG-STAR LAW 3301、もう一方はLevi’s 501です。自分に解る違いは股上の深さで、店員さんの意見も聞きながらいろいろ考えて、今回は前者にしました。

いやもう、単に501のほうは今までに何度も何度も買って穿いていて、今回も試着した時に腰回りが「あ!これこれ!いつものこの感じ!」としっくりしすぎるくらいしっくりきたのですが、ならたまには違うのにも挑戦してみればいいのでは?という結論に行き着いたのです、今日は。迷うなら両方買うという手もありますよと店員さんはにこやかに言いましたが、ははは。

どちらかというと服屋さんよりは図書館に居るような雰囲気の店員さんでしたが、話も上手でジーンズについての知識も深く、なかなか楽しい買い物のひとときとなりました。

今日教えてもらって知ったのですが(今更かもしれませんが無頓着だったので)、試着した2本のジーンズはテーパードと言って、太ももから裾に向かって細く絞っているシルエットなのだそうです。ここ数年はレギュラーストレートにしてもスキニーにしても、同じ太さでまっすぐ下りる感じが主流だったのに、去年辺りから徐々にテーパードが復権してきているのだと教えてくれました。え、それってバブルの頃だったか、昔流行ってたアレじゃないですか。やはりファッションの世界ではアレンジを加えながらも歴史は繰り返すのですね。

ちなみに、そのテーパードを薦めてくれたのは、流行であるということもあるけれど、わたくしの上半身の体型を見たら(自分では全然そう思わないのですが、肩周りなどガッシリした感じに見えるそうで)テーパードパンツのすっきりしたシルエットが合うと感じたからだそうです。ああ、なるほど、そういう見方をすれば良いわけですね。できれば10代の頃に教えてもらいたかったですそういうの。

で、今回選ばなかったLevi’s 501も、歴史ある無骨なレギュラーストレートではあるのですが、数年ごとにわずかなモデルチェンジをしているそうなのです。試着させてもらった今年のモデルも、流行を取り入れて微妙にテーパードのスタイルになっているのだとのこと。確かに言われれば腰回りのフィット感は大差ないけれど鏡で見たスタイルは、過去に穿いていた501より幾分かほっそりと見える気がしました。老舗の飲食店は日々研究を重ねて改良を加えていることで、人々の舌が肥えていっても「昔から変わらない美味しさ」という評価を得続けられる、というような話を聞いたことがありますが、あの定番ジーンズ501でも似たようなことが行われているんですね。これもまた驚きでした。

本当に似合っているのかはさておき、履き心地の良いジーンズと、ためになる知識も手に入れ、なかなか気分の良い接客もして頂いたので、予定の倍の値段を翌月一括で支払ったことは「勉強させてもらいますわ」と大阪商人のようにわたくしの方が言えば済む話ですかそうですか。

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