会社のBlogなので、あんまり個人的な事、趣味趣向なんかについては書かないほうがいいかなとか、これでも結構考えているほうなのです。特に好きな音楽のこととかは、際限なくなるし、ビジネスに繋がるわけでもないしと、極力避けるようにしていましたが、昨日飛び込んで来たニュースに大興奮してしまったので、抑えきれず書いてしまいます。フラカン初の武道館ライヴ決定!やった!
まずフラカンとは何か、について書かないといけません。フラカンとはフラワーカンパニーズというロックバンドの略称です。名古屋出身の4人組で、昨年2014年には結成25周年を迎えた古株バンドなのです。しかもその25年間、一度もメンバーチェンジをしていないという、日本のロック史上でもかなり稀な存在です。
もうひとつ、かなり稀な存在だというエピソードがあって、彼らはソニー傘下のレーベルからメジャーデビューしたのですが、6枚目のオリジナルアルバムを出したところで、一度契約が終了したのです。その後彼らは、自主レーベルを作りインディーズで活動を続けました。それから7年、再び評価が高まり、古巣であったソニーから契約を持ちかけられたのです。同じグループのレコード会社から2回のメジャーデビューを果たすなんて、あまり聞いたことがありませんね。再移籍ならまだしも、一度はインディーズに戻っているのですから。
わたくしは、2枚目のアルバムをリリースして間もない頃に、彼らの存在を知りました。チラシを見て、よくわからないけれどなんだか気になるバンドだなあと思って名前を頭の片隅にとどめました。その後、彼らがアナログレコード限定でライヴアルバムをリリースしていたのを偶然お店で見つけ、珍しいので面白半分で買ってみたのです。
それが、とても素晴らしい作品だったので、勢いでオリジナルアルバムのCDに戻って買い揃えました。そして次に出た3枚目のアルバム「俺たちハタチ族」の、曲はもちろん、歌詞やジャケット写真やコンセプトに至る細部にまで感動し、それからずっと虜になってしまいました。もちろんその当時はこの歳になるまでずっと、好きなアーティスト第1位で居続けるなんてことまでは想像していませんでしたが。
こう書いてみて改めて思ったのは、初めて聴いたのがスタジオ録音のCDでなくライヴアルバムだったのが良かったんだろうなということです。デビュー当時から数々の音楽評論家が「フラカンはライヴがいい。ライヴを観なければ彼らの良さは伝わらない」と言っておりましたが、まさしくその通りで、彼らのライヴ演奏の熱さ、迫力、躍動感、昂り、切なさなどは、CDでとてもパッケージングし尽くせるものではありません。
彼らもそれを解っているのでしょう。自分たちの魅力を伝えるのはライヴが一番であるし、何よりライヴが好きだということを。
なので、契約終了した後で自主レーベルでの活動を余儀なくされた時にも、地道に全国をライヴツアーで回り続るのは止めませんでした。大半のバンドはその時点で諦めて解散してしまったり、脱退するメンバーが現れたりすると思いますが。そして例えメディア露出度が急降下して多くのファンも離れ、動員が100人を切ってしまうようなライヴであったとしても、いつも精一杯の演奏を聴かせてくれました。時には曲のアレンジを変え、奏法を変え、磨きをかけながら。
そうやってかつての曲もライヴツアーごとに成長していく中で、新しい名曲も次々と生まれていきました。地道にツアーは続けるけれど先行きは見えなくて、それでもか細い希望の光を頼りに信じた道を進んでいく。そんな気持ちを、自分たちで機材車を運転しながら真夜中の高速道路を走る姿に重ねた「深夜高速」という曲が高評価を得たことが、再メジャー契約の大きなきっかけでした。もちろんそれだけが理由ではありませんが。
「深夜高速」以降、若い世代にもどんどんファンが増えていき、人気絶頂に向かっているフラカンなのですが、でもずっとずっと彼らの音楽の傍に居させてもらったわたくしとしては、その時その時の精一杯を確実に積み重ねて少し上を目指していく、いつもと変わらないフラカンなのです。
だから、今年の12月19日に、フラカン初の日本武道館公演が決定したという知らせを聴き、今そんなにまでフラカン人気が高まっているのか?ということが不思議でもある反面、あれだけのライヴが出来る最高のロックバンドが25年間のキャリアでまだ武道館公演をやってなかったのか?ということも不思議に感じます。
そしておまけで言うなら、これほど音楽好きな自分もまだ、日本武道館で誰のライヴも観たことが無いというのも、ちょっと不思議だったりもするのです。
その不思議を、なんとかしてチケットを手に入れて、どうしようもなく素晴らしい現実なんだと実感したいと思っています。