昨日の記事の「食堂101号室」さんでゆったりと昼食をとった後は、歩いて次の目的地へ。バス停ひと区間分ありますが、下り坂なので乗らずに充分歩ける距離でした。近づいてくると、ものすごく開放的な風景が迎えてくれます。
本当はもうちょっと手前から撮ったほうがより一層魅力を引き出せるのですが、海が開けて、下り坂が海への滑走路みたいに感じられるこの風景。ふっとある歌が思い浮かんだのですが、どうやら考えることはみんな同じようですね。検索すると結構出てくる言葉はこれ。
「ゆずの夏色みたい〜!」
わかる、わかるよ、アラフォー諸君。
そしてこの長い長い下り坂を下りてカーブを曲がったところ。遠目に古墳のような謎の白い建物が見えますが、ここが2つ目の目的地「豊島美術館」です。
美術館と言うと、建物の中に様々な美術作品が展示されている場所、とイメージされると思います。壁にかかった絵画とか、広場の中央に設置された彫刻とか、そういうものを思い浮かべますよね。
しかし、この豊島美術館にはそういったものはありません。この建物自体が「母型」と呼ばれる作品の一部になっているのです。
建物の内部は撮影禁止なのでこれ以上の写真もありませんし、ネタバレというか、初回はあまり作品についての先入観を持たずに訪ねたほうが良いと思いますので、あまり詳しくは触れないでおこうと思います。ご了承ください。
ただ、とにかく、行ったことのある友達から「絶対に行くべき。とても心地が良い。何時間でも居られる」というようなことを言われていて、本当かなあと疑問も持ちつつの訪問でしたが、本当でした。
天井に開いた丸い穴から見える空や木々。吹き込む風。床を転がる水。そういった自然によって建物と内部の雰囲気・空気感がリミックスされる様子を自身も作品の一部となって体感するとでも言えばいいでしょうか。なので雨が降ればまた全然違う表情を見せるのだそうですし、季節によっても感じ方は変わるとのことで。だからわたくしも、また違った感じ方をしてみたいので再訪したいと強く思ったのでした。
なお、わたくし達が訪れたこの日は、台風が近づいているという天気。少し雲が多めに流れ、時折強い風が吹いていました。天気によって表情が変わるのであれば、まあまあレアなタイミングだったのかもしれません。しかし、そのお陰で、考えてもいなかった状況になりました。
なんと台風の影響で、帰りに乗ろうと思っていたフェリーの欠航が決まったということをチケット売り場で知らされたのです。豊島美術館は本来、1540円の入場料で1日に何度も入退場できるので、10時〜17時までずっと寝転んでいてもいいし、途中で昼食を食べに出かけ、夕方にまた変化を見に戻ってもいいし(ただし混雑時は入場者の人数制限があるそうです)、時間をかけてゆっくり楽しめるのですが、もし今日高松へ帰るなら豊島のもう一つの港である家浦港から15:10発の船が最終便となるのでご注意ください、と教わりました。
そこまで空も海も荒れた様子には見えず驚きましたが、それでも小一時間はこの豊島美術館で寝っ転がって素晴らしい空間を堪能し、後の予定は切り上げてフェリー乗り場を目指しました。
後々考えれば非常に良いタイミングで欠航情報を教わったのだと思います。豊島美術館を出て一旦唐櫃港へ戻りコインロッカーの荷物を取って、ちょうど出るタイミングのバスに乗せてもらって家浦港へ。すぐ高松行きの列に並ぶと、ギリギリ滑り込みで乗れる整理券を手にできました。次のバスなら船に乗れていませんでしたね。
そんなことでちょっと心残りもありつつ豊島を離れることになったわけなのですが、また誰かの心臓音を聞きに行ったり、豊島美術館の違った表情を見に行ったり、見逃したアートスポットを訪ねたりと、豊島に再び上陸する理由があるということは将来の楽しみにも繋がるので良しとします。
相変わらず紹介にもなっていない拙い文章ですが、なんとなく興味が出てきた方は是非、豊島美術館を含めた豊島への船旅を計画してみて下さいませ。
一度でいいから行って見たいですのですが、なかなか行けず。。こちらのブログ拝読して行った気になっております。ありがとうございますー。
でも実際に行かないとこのよさってわからないのでしょうね。是非行きたいです。
パリッコ様
コメントありがとうございます。豊島美術館のことはご存知なんですね。行ってみたいと思われているなら、ぜひとも体験していただきたいですね!近県でないと行くのは大変だと思いますが、きっと損はしないはずです。一度でいいから、だなんて撤回したくなりますよ〜また行きたい!って言って☆