70代半ばで更なるデジタル革命は起こせるか、と妄想しつつ、写真を紙焼きして郵送するのの何がデジタル化やねん、と

母親の依頼で今日はカメラのキタムラさんへ同行したのです。デジカメで撮った写真をプリントしたいということで。まあ、そういうの、ネットプリントで注文できるってことは知っていますが、買い物ついでにお店の端末で申し込んで帰りに受け取りたいとかいう事情もあり。

母がデジカメを手にしたのは4年くらい前で、それまでは「フィルムを使わないのに写真が撮れるとか意味がわからない」というような意味がわからないことを言って、頑なにデジカメを持つのを拒んでいたのですが、持っていたフィルム式のカメラが壊れ、新しい製品ももうほとんど販売されていないという状況に折れ、やっとこさ写真のデジタル革命が起きたわけです。

それでまあ、24枚撮ってもフィルムの交換をしなくていい、現像に出さなくてもいい、ということに慣れてくると、何でもかんでもジャンジャン撮るようになってきました。あの頑なな拒否はなんだったんでしょうかね。

さて、それで、もうかれこれ2年くらい撮りっぱなしで、友達との旅行の写真とか、プリントして送りたいのにお店のプリント申込機の使い方がわからないし、店員さんに頼めばいいけどこんなに量も多くなったら迷惑だし、みたいなことをグズグズと申すわけなのですよ。じゃあ時間もあるから手伝ってやってもいいけど、ということで同行することになったのですけど。

考えてもみれば、自分が40代半ばで、いろんなものがアナログからデジタルに変わっていく過渡期を生きてきた世代なわけですけど、70代の母はそれどころが戦中戦後を見ながらこの現代まで生きてきているわけで、そりゃあテクノロジーの認識なんてえらく違っています。なんでそうなる?と自分が不思議に思ってしまうこともありますが、それはきっとデジタルネイティブな20代くらいの人から自分らの世代を見ても同じように不思議に思うのでしょうね。

母が初めてのデジカメを手にした時、わたくし確かにこんな説明をしてしまいました。
「フィルムも入れないのにどうやって写真が撮れるの」
「だから、ここの蓋の中にこの切手くらいのカードが入っていて、撮った写真はここに保存されるんだよ。このカードがフィルムの代わり」

で。フィルムの枚数を気にせずたくさん撮れるようになって、目一杯撮りました。そしてSDカードの容量が満杯になります。なったら…その都度、カメラ屋さんで新しいSDカードを買っていたようです。カメラと一緒にSDカード4枚持ってきていました。それらに「◯年◯月◯日〜△年△月△日」とマジックで書かれていましたよ。

ああー、フィルムの代わり、ねー。はは〜ん。

「なんでこんなことしてんの?」
「フィルムの代わりでしょ。じゃあどうすればいいのよ?」
「パソコンに取り込んで保存して、カードのデータは消去してまた使えばこんなにSDカード買う必要ないんだけど」
「私パソコン持ってないし」

まあ、そうですね。そうですけど。なんかもうそれじゃ、写真がデジタル化するという大革命を半分くらいしか活かしてないじゃないか、と思ったのですよ。

だいたいその、旅行の写真を友達にあげる、にしたって、こんな風に写真屋さんで紙焼きして手渡ししたり郵送するなんてことしなくても、メール等で送信すればいいじゃないか。アルバムだってクラウドで保存してスライドショーで見ればいいじゃないか。写真がデジタルデータになるというのはそういうことなんだぞ。

ということを言っても、母にはチンプンカンプン。だって友達も同級生なんだから誰もメールとかしてないわよ、などと。まあそれはそうかもしれませんが。

確かに母親に携帯メールの送り方を教えるのも大変だったよなあ。確かあの時にはメールなんて要らないと突っぱねていたのを、もし病気で倒れたり、強盗に押し入られたりで声が出せない状況になって助けを求めたい時、メールの送り方を覚えておけば助かるかもしれないだろ、とか言って説得したのですよ。今思うと大げさすぎて笑えます。

まあそのくせ、撮った写真はいちいち紙焼きしてアルバムに貼らなくても、こうやって全部見られるんだよとiPadを使って実際に見せてみると興味はあるようで、「ああこれならいいね、買ってみようか、でも私に使えるだろうか、それよりいっそスマホっていうのにしたほうがいいのかしら、テレビで何とかナナ(iPhone 7のことらしい)がすごいとか言ってたけどそんなのは私にはよう使えんかもしれないし、でもあれは小さすぎて字が見えんかもしれないし、でもこの大きいの(iPadのこと)を両手で持って電話するわけにはいかないし…」と延々どこから説明すればいいのか解らない話をされてしまうのでありました。

それでも好奇心のあるうちに、簡単な操作方法が理解出来るうちに、iPhoneでもiPadでも使えるようになってもらえたらこっちも色々便利だよなあ、と考えたりもしているんですが。果たしてどうなることやら。

「70代半ばで更なるデジタル革命は起こせるか、と妄想しつつ、写真を紙焼きして郵送するのの何がデジタル化やねん、と」への2件のフィードバック

  1. 70代の親をもつ子どもの気持ち、わかります。。
    うちも母は「戦中生まれだからそんなんわからんわ!お父さんがうてるけんできんてもええんよ!」いう言い訳をして、なかなか携帯からメールの打ち方を覚えようとしないと言うのを説得するのに苦労してます。
    iPadをあげてSkypeはやれるのですが、アップデートができないという。。

    1. パリッコ様

      コメントありがとうございます。同じようなご苦労を(笑)。

      携帯メールは文中にも書きましたけど、声が出せない状況になった時に助けを求められる、という説明で気が変わってもらえました。学生の頃に風邪をひいて喉をやられ、友達に電話しても会話にならず、あの当時メールがあったらなあという経験から思いついた出まかせだったんですけど、それもそうねと操作法を覚えてくれるようになりました。

      なんてことを言いながら、今度はiPhoneが気になるけどフリック入力が難しそうと言っている母に「どうしても難しいなら、ここ押せば音声入力もできるから」と説明しているわたくし。おい、声が出せない状況はどうした?!

      でもSkypeができるお母様なんて進んでますよ!素晴らしい!アップデートの度に帰省してあげてくださいね。

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