長くなったので前後編に分けた、昨日の話の続きです。地図・地図に準ずる書面の証明書を交付してもらうところまで書きましたね。そうやって調べたい土地の地番が特定できたら、次にその土地の「登記事項証明書」の交付請求書を記入して窓口に提出します。
その証明書によると路地に相当する部分は6分割されておらず、L字型の区画として一つの地番が割り振られていましたので、その地番を請求書用紙に書きました。
念のために実家の部分の地番についても請求しておきました。こちらには親族が前の所有者から購入した事実と日付が記されておりました。
そして一方の路地については5ページに渡って所有権の変遷とかつて付けられていた抵当権などの情報が記載された証明書を手渡されました。肝心の現在の所有者は、やはり相続があった家のご親戚が話された通り、例の企業になっておりました。
さらによく見てみると、路地の部分の登記事項証明書には平成元年以前の記録が載っていませんでした。窓口の方に尋ねてみると、この地番に関してはそれ以前の記録は電子化されておらず、手書きの登記簿をコピーした形での登記事項証明書として交付されるのだとのこと。
ただし、それが必要な場合は、先に交付された電子化後のものとは別に、該当事項の「コンピュータ化に伴う閉鎖登記簿」のところにチェックを入れた交付請求書の提出が必要であり、交付手数料も別途必要になるとのことでした。
登記事項証明書の交付手数料は1件につき600円なので、実家の部分と路地の部分、プラス手書き時代の閉鎖登記簿の分と3件1800円の出費でございます。いてててて。
さて、そこまでして手に入れた3通の登記事項証明書の内容をよく読み照らし合わせたところ、ある事実が浮かびました。その路地、そもそも道として造られたわけではなく、宅地を引き算した余りだったのです。そして路地を6軒で分割所有したことなど一度も無かったのでした。
ここからはわたくしの推測も入っていますが、6軒の家と路地は元々ひとかたまりの土地だったようです。さらに言えば近接する市の施設もその隣の駐車場も例の企業の支店の土地も全部、前述の政治家の家系が所有する土地だったようです。
そして昭和30年代の頃に、その広大な土地の一部を住宅地として売りに出したようで、1区画の中に6軒の家が建つように小分けしたのですが、それぞれの宅地部分だけを分筆(=同じ地番の土地を分割する)して売買したらしく、路地に相当する部分は元の所有者の土地として残ってしまったようなのです。
その後、いろいろあったようで、かつて一帯の大地主だった元の所有者は殆どの土地を手放すことになり、次の所有者による転売、差し押さえや競売なども繰り返され、10年くらい前に現在の所有者である企業が購入して今に至っています。
その企業も支店を建てた広い面積の角地が狙いで購入したのだと思われますが、どうやらその売買には歴代ずっと、実家前の路地の地権もオマケのようにくっついていたみたいですね。だから最初に手放されてから後、その路地を手に入れて何かをするという意図ではなく、資産として図らずも権利を得てしまっていた(けどまあ借金の担保が少し増えるからいいや)、という感覚で地権を手に入れた人ばかりなのではないかと想像しています。
そんなわけで、路地の所有権に絡んで実家の対処はどうするかはまた追い追い考えていくとして、ひとまず政治家が裏で勝手に登記を書き換えた疑惑は全く事実無根だということは判明したので、訴訟を起こすことも考える必要がなくなり一安心です。
長々と書きましたが、まあそういうこともあるんだなーという感じで気に留めて頂いて、読んでくださった方が万が一似たようなことに突き当たったら、法務局の文字を思い出してもらえれば多少は報われるかな、なんて思っています。