午前中から得意先事務所で仕事をする日なので詰めておりました。得意先社長とあれこれ打ち合わせ的な話をして、しばらく後に出掛けて行かれたので一人、留守番仕事に。そんな時に不意打ちのようにかかってきた一本の電話。
なんて、まるでドラマでも始まるような書き方をしてしまいましたが、その電話は単に、例の資料請求をしたアルバイト求人サイトの営業担当の方からの連絡でした。
実は4社ほどに詳しい料金や手続きに必要なものを教えて下さいと、問い合わせフォームからメッセージを送っていたのでありました。それが先週末の事。
そして、うち1社からはその日のうちにメールで丁寧なお返事が届き、週明けて月曜の午前中にはその資料についてご説明を、と電話がかかっておりました。もう1社も週明け月曜にはメールと電話を頂いており、実はもう、気分的にはそのどちらか1社または両方で決めてもいいんじゃないかなと思っていたのです。
そこへ1日遅れで今日電話を下さった3社目の会社。電話で、同じようなシステム体系と料金プランを説明してくれるのだろうと話に相槌を打っていると、「資料をお届けに上がりつつ、詳細をご説明した方がよろしいかと思いますので、お時間許されるなら今日の午後3時にでも御社へお伺いしますが」とのこと。
先の2社がメールと電話でスムースに済ませて下さっていたので、予想もしていなかったのですが、説明の後は商談に続いていくわけですから対面でお話しするというのも後の流れがスムースですよね。
しかし不意打ちを喰らってしまったかのように、必要以上に狼狽えてしまい、どどどどないしょー状態に。先方が「このお問い合わせフォームに書いて下さった住所を訪ねたのでよろしいですか?」と尋ねられたので、「あ、いや、今日はそこには居なくて得意先の事務所のほうで、それというのもそこの会社から仕事を受注していてと言うか元々わたくしそこの従業員だったのが…」としどろもどろに説明するのが精一杯でした。
では今日はご不在ということでしたら日を改めて、いつでしたら事務所のほうに…と聞かれて、わたくしものすごく重要なことに気がついたのでした。
うちの事務所、応接室として機能する物が何も無い!
いやあ、なんということでしょう。物置のような部屋に机(それもデスクではなくテーブル)を置いてMac広げて事務仕事はしていて、自分の身一つなら何の不自由も無い訳なんですが、普通の会社のような、来客を迎えるための心地よいソファだの、優雅なティーカップだの、ふかふかのスリッパだの、全っ然用意していなかったのです。
余談ですが、普通はそういうものは創業の時に一通り揃えるものでして、その購入費用は「創業費」「開業費」という仕訳で5年間持ち越しつつ都合に合わせて償却できるのですよ。初年度はそういう費用がかさむので赤字決算になることがスタンダードらしいのですが、弊社は急拵えのためそこまで頭が回りませんでした(その弊害が今ここに現れるとはね)。
うわっ、マズいなあ…と思いながら、ふと創業時に得意先社長が言っていた、ここの応接室使っても別に構わんぞという言葉を思い出して、「で、では、早いほうがいいと思いますので、今わたくしはその仕事の受注元である会社の事務所で仕事をしておりますから3時にこちらへいらして下さい」と咄嗟に告げた訳です。
そんな展開の流れになってしまったから、相手先によっては「何それ?もしかして実体のないペーパーカンパニー?」みたいに疑われて、相手にしてくれないかもしれませんが、その3社目の会社の営業担当の方は、きちんと理解して(または割り切って)、約束の時間どおりに得意先事務所を訪問して下さいました。
それで、いろいろと資料を持って来て下さって、こういう求人広告を出すということ自体が初心者であるわたくしに、親切丁寧にシステムを説明して下さいました。それから他社と比べて自社の優れた点も自信を持って説明して下さいました。ああ、デキるビジネスマンなんだなあ、帰ってカボチャの煮付けなんて作らないんだろうなあとか時々ぼんやり思いながら(笑)。
それはさておいて、たまたま選んだ4社の中で唯一近くに支社が有るということで、担当の方が直接話しに来て下さるというのは、安心感もさることながら説得力があるなあと思いました。
なんだろう、例えばわたくしはSNSなんぞに没頭する時は、リアル世界の知り合いとかは無視して、発言(コンテンツ)が気になる未知の人とばかり繋がる訳ですけれども、そういう人達との繋がりにおいて、オンライン上だけの話だけでも充分楽しいし信頼出来るけれども、オフ会で実際に会って話して飲んだ人とはその先もっと濃密で信頼感のある繋がりになる、ような感じ。
まあとにかく、一日遅くのアプローチではあったものの、それ以上に、ああ、この人(がいる会社)は信頼しても大丈夫かなというのが実感出来ることが大きくて、先の2社のどっちか…なんて考えていたのが、3社目のこの会社と、予算が許せば先の2社のどっちか、に考えがゴロッと傾いてしまったのは事実です。
やっぱりですね、わたくしの経験から学んだ人生訓の一つ「会いたいと思う人には会えるうちに会っとけ」は間違っちゃないんですよ、ビジネスシーンにおいても。
んじゃあ最後のもう1社が連絡をよこせばまた考えが変わるんじゃないの?と想像される方もいらっしゃるかと思いますが、そちらも今日になってメールを下さって、詳しくは書けませんがその文面から滲み出るスタンスに、こちらからお断りだっ!と腹を決めた次第なのでありました。確かに得体の知れない企業(=うち)との初取引には不安があるでしょうけど、断る可能性が大いにあるからねーという態度で、それでもお願いしたければどーぞ(嘲笑)といわんばかりの言い草を返されても、じゃあ他社に頼みますとしか言えませんよ弊社は。
それはそれとして。この仕事でちゃんと利益出して、事務所に応接室を作らねばならないなあぁぁぁ。