中に入るとガラリと変わる空気感が面白い、竹を編んで作られた王文志(ワン・ウェンチー)さんの作品「オリーブの夢」

今回の旅行で訪れた一般的な小豆島の観光地はだいたい紹介したので、今日からはやっと瀬戸内国際芸術祭の作品に触れていこうかと思います。訪問した時が夏会期の終了間際だったのですけど、10月8日から11月6日まで秋会期が開催されるので、行ってみようかなあというきっかけにでもなれば幸いです。

と言ってもねぇ、そんなにたくさんの作品を見たわけでもないのですけど。

高松から小豆島へフェリーで着いて、真っ先に向かったのが肥土山/中山エリア方面で、バスで向かって春日神社前の停留所で降りました。そして既に紹介したこまめ食堂さんにて早めの昼食を取ったのですが、そのテーブル席から見えていたこの作品が第一の目的地でした。

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この茶色くてポコッとした形のものが作品なのです。作者は台湾のアーティスト王文志(ワン・ウェンチー)さん。今回のタイトルは「オリーブの夢」です。

作品へはこまめ食堂さんを出て道を少し歩き、案内板に従って畦道を歩いていくとたどり着けます。近づいてみると意外と大きい!

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このオリーブの夢という作品、竹でできているんですよ。地元の竹を約4000本使って、裂いた竹を編んで組み立てているのです。鑑賞料金300円を受付で支払うと、作品の内部にも足を踏み入れることができます。

入ってすぐ天井を見上げてみました。アジアン雑貨屋にある電灯の傘みたい。

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空間の中央辺りの天井に目を移すと丸い穴が空いていて空が見えます。この切り抜かれた空の青がなぜか落ち着くのです。

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ね。

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なんだか虫かごの中にいるみたい。陽射しは暑かったのですが、風が通り抜けて心地よい涼しさです。来場者は思い思いの場所や姿勢でくつろいでいました。

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ちょっとロマンないですけど、竹で組んだだけなのにこんなに人が中に入って安全性は大丈夫なの?とかいらぬ心配は、鉄筋を見て消え去りました。

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当日は締め切られていましたが出口の方からの眺め。これも時間によって陽の差し込む角度が違って、印象も変わるんでしょうね。

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外に出て出口の方から見てみるとこんな感じ。改めて、この中山地区(中山千枚田と呼ばれる棚田が有名)の風景と意外にも調和がとれているのが美しいなあと思いました。

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入る時に先に並んでいたおじさんが、「えー、これ入るだけに300円?高いなあ」と言ってて、実はわたくしもちょっと同じことを思ったりもしたんですが、中に入った瞬間にガラッと変わる空気感、自然の涼しさと居心地の良さ、それによって心の動きが穏やかに変化すること、などを通して最終的には300円をケチらずに中に入って良かったと思えました。そのおじさんも帰る時にスタッフの方に満足そうな顔で「ありがとう」と言ってたのも印象的でした。

実りの秋のシーズンに訪れるのもまた素敵かもしれませんね。秋会期を狙って小豆島を訪ねてみてはいかがですか?

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